人生初、お庄屋さんのくらし

休みの日に、適当な街に行ってぶらぶら歩くことが続いています。

最近は、なぜか河内方面が多く。

 

JR平野駅前から杭全神社、大念仏寺と適当に歩くこと一時間あまり。

長い塀にこんもりとした森のような庭の大きなお屋敷に出くわしました。

興味津々で一周していると、にこにことしたおじさんがしきりにこちら(妻と娘と3人)をみて会釈をしてこられます。

 

近づくと、「お待ちしていました」

私たち「???」

おじさん「予約をいただいて」

私たち「いえ、ただの通りすがりです」

おじさん「「???」

 

重要文化財『奥田家住宅』

なる江戸時代の庄屋さんの邸宅で、予約制で見学ができるのだそうです。

 

たまたま今日のこの時間に3人の予約があったのだとか。

たまたまぶらぶらと現れたいかにも建物に興味がありそうな親子連れ3人。

 

こんなことある??、で、間違えても仕方がないです。

 

で、これもなにかのご縁なので、お願いをして急きょ見学させていただきました。

 

私にとって、庄屋さん、でまず思いつくのは、(かなりまれだと思いますが)桂枝雀さんの「雨ごい源兵衛」です。

ずーっと前に、うさぎ川のくだりでこのブログにも登場した噺です。

 

見事、雨ごいに成功した源兵衛が庄屋さんの家に招かれて、村のものたちと一緒に酒や魚をご馳走になる。横に若い村娘が寄ってきて、「源兵衛は〜ん」、なんてくだりがあります。

 

何十年間、漠然としたイメージしか描けなかったこの場面ですが、今日、はっきりとわかってしまいました。

 

一般の玄関を入ると広い広い土間、右手に台所。

左手の上がるところに帳場があり、その奥が家人の生活スペース4間。

 

その奥に、座敷。

これは役人が米のできなどを見に来るときなどに使っていたそうで、普段は使われなかったと。

座敷用に別の入り口があります。

 

おそらく、この座敷が使われて源兵衛はもてなされ(つまり普通なら一生かかってもあり得ない状況)、村人たちは土間で酒肴をご馳走になった、ということなのでしょう。

 

別にそのことばかり考えて生きているわけではないけれど、なんだか胸のつかえがとれたようで、幸せな気分でした。

それにしても、こんな偶然ある??、の瞬間でした。

 

追加 にこにこと会釈してくださったおじさんは、奥田家の方でした。世が世ならお庄屋さん。

すぐそばに旧辻元家住宅(がんこ平野郷屋敷)がありますが、ここは平野ではなくて鞍作村なんですけど、と言っておられたのが印象的でした。

気になる方はこちらのサイト(okudatei.jp)をごらんください。